第77回法楽寺わらく読書会@大阪市法楽寺

 
7月23日(金)の第77回『法楽寺わらく読書会』は、
久しぶりにズームではなく、法楽寺くすのき文庫で行いました。
 
『修身教授録』の第1部・第40講『わかれの言葉』を、
新たに参加された方を含む7名で輪読し、感想を共有しました。
 
私にとっては、諸君らと過ごしたこの一年間の足跡は、永く忘れがたいものとなることでしょう。
今や諸君らと別れるに当たって、
このような歩みをすることのできた因縁に対して、深く感謝せざるを得ないのであります。
おもうに私としては、諸君らの真の教育的結実は、
おそらくまず見ることができないであろうと思うのです。
すなわち教育の仕事というものは、常に種子まきであり苗木を育てるようなものであって、
花実を見る喜びは、必ずしも教育に本質的なものではないからであります。
というのも、現世的欲望を遮断しつつ次代のために自己を捧げるところにこそ、
教育者の教育者たる真の使命はあるからであります。
 
諸君らはすべからく起って自らの道を歩まねばならぬが、
しかもそのためには諸君らはまず偉大な先哲の教えについて学ばねばならぬということであったわけであります。
 
希わくば諸君!!この二度とない人生を、
できるだけ真実に歩まれることを切望して已まないしだいです。
 
このような森信三先生の言葉に対して、
 
「年度終わりに当たっての感無量の心、学生に命の根源に触れる生き方をして欲しいという思いが感じとれた。
私は教室で、生徒同志の繋がり、互いの響き合い、磨き合いを大切にしていたことを思い返した」
 
「教育は、教えた内容より、教師の人間性が重要だ。教師になりたての頃、今よりも、20年30年後、生徒が花を咲かせるような授業をせよと教わった。教育の重みを改めて感じている」
 
「最後の生徒の感謝の言葉に全てが凝縮していた。検閲が厳しい中、退職覚悟の授業であったと思う」
 
「教員であると同時に、人間としての別れを惜しんでおられると感じた。生徒達への愛情あふれる言葉が印象に残った」
 
「森信三先生は、心の歩みや空気感を大切にしていると感じた。自分の高校生時代を思い出した」
 
「森先生は、人間形成を重視して教えておられたので、生徒との師弟関係が築かれていたと思う。人生100年時代であり、これからも学び続けて行きたい」
 
といった意見が出されていました。
 
次回開催は、以下の通りです。
 
日時:令和3年8月27日(金)13:00〜15:00
場所:法楽寺くすのき文庫
 
内容:「修身教授録」第2部・第1講「挨拶」輪読会